※旧サイトにて2017年6月6日に公開した本記事ですが、
必要な文言等の追記、その他の部分も修正して2022年2月
8日に再度公開しました。
キャリアコンサルティングとコーチング、クライアントを対人支援の
スキルを活用してサポートしてゆく点としては同じではありますが、
キャリアコンサルタント・コーチの当事者としては一緒にしたくない
と考える方も多いと思われます。
今回、ワタクシが実際にコーチングのセミナーを通して学んだこと
から、「これはキャリアコンサルティングと共通している!」と
感じたことを3つほど挙げてみたいと思います。
共通点その①;基本スキルは3つ
キャリアコンサルティングの基本スキルといっても、元々キャリア
コンサルタントを養成している団体が10団体もありますので、も
しかしたら基本的なところは異なるかもしれません。ですので、日本
キャリア開発協会の考え方をキャリアコンサルティングのベースと
して考えていきます。
キャリコンの場合ですと、基本スキルは受容・共感・一致の3つを
掲げています。相手の話すことをすべて承認し(受容)、相手の気
持ちや感情に寄り添い(共感)、ときには同じ感情を持つ(一致)
こととされています。
逆にコーチングの場合ですと、傾聴・承認・質問という3種類が
あるそうです。3つという点では同じですが、傾聴と承認はキャリ
コンにもあり、この点では共通しています。また、キャリコンでは
質問を基本スキルには挙げていないものの、この項目は重要視され
ているため、基本的な部分は同じという感覚です。
適切な質問を投げかけ、相手から出てきた言葉を受け入れるという
工程は、キャリコンもコーチングも変わることない基本的な部分ですね。
共通点その②;答えはクライアントにある
キャリコンの場合、クライアントに内省を促すことで、ある種の
答えを導き出すことが多々あります。この点もコーチングと共通し
ており、上のコーチングの基本スキルの“傾聴”に該当するそうです。
例えば、「○○がしたいんだけどなかなか出来ない」という相談が
きた場合、“出来ない理由”を具現化させることをまずは行います。
で、明確になった“出来ない理由”を“出来る理由”に変えていくわけで
すが、変える要素を持っているのは、やはりクライアントの中にあ
るわけです。
もちろん、外的要因と内的要因に分かれますが、内的要因が理由の
大半であれば、ここを変えるのはやはりクライアントですので、答え
はクライアントの中にあるということで結論づけることができるため、
共通点かなと感じています。
クライアントが求めるであろう答えは、実はクライアントの中にあり、
適切な質問で引き出すことは、変わらない部分です。
共通点その③;クライアントに愛を
基本的には、ですが、やはりクライアントに好意的関心を持たないと
対話を続けるのは難しいかなと感じます。
この部分はキャリコンでいうところの受容と、コーチングでいうとこ
ろの承認で同じような感覚ですが、仕事とはいえ全く関心を持たないと
対話を進めることができませんし、作業的になっても意味がないかなと
すら思います。
(ある公的機関のキャリコン(無資格)ですと、作業的な指導に終始
することもあり、相談者としては満足度は高くならないようです)
セミナー講師であるコーチはこう仰ってました。
「セッションを受けるクライアントさんには、たっっっぷりの愛情を
注いでいます」
相手に好意的関心を持たないと、基本初対面ですから、1時間も話を
聞くのって大変ですよ、本当に。
まとめ
コーチングもキャリアコンサルティングも、対人支援になりますし、
そもそもの目的が対話による人材育成になるので基本的な姿勢は同じ
ですね。では何が違うのかと聞かれると、ちょっと答えに詰まってし
まいすが、個人的見解としては「手法」かと思います。キャリコンだ
と“感情”を汲み取ることも重要視されているので、その部分はことな
るかなと思います。
とは言っても、クライアントにとってのベストな地点に着地させるこ
とが大切な前提ですね。
ではまた!